こんにちは。ANAマイルを貯めて世界一周してきました。見切り発車の旅でしたが予約や予約変更で知ったこと、苦労したことを記事にしました。皆様の世界一周計画の一助になれば幸いです。
なお、ご紹介する内容は2023年3月時点のため、最新状況はご自身でご確認をお願いいたします。
世界一周ルールの確認
主要なルールはANAサイトにありますので、まずはこれを前提とします。(以下は抜粋)
予約は電話のみとなります。
ANAサイト
- 全旅程の距離(区間基本マイレージの合計。地上交通区間は移動マイルとして計算に含めません。)に応じて必要マイル数を算出します。
- 太平洋、大西洋を1回ずつ飛行機を利用して横断する必要があります。
- ルートは東回り、あるいは西回りのどちらかで逆回りはできません。
- 出発地と最終帰着地の間で最大8回の途中降機が可能です。(ただし欧州での途中降機は3回まで、日本国内での途中降機は4回までです。)
- 出発国に戻る最後の国際線搭乗は、最初の国際線搭乗から10日目以降になります。例:10月1日に日本出発の場合、 10月1日+10日=10月11日となりますので、 日本へ向けての帰国便利用は10月11日以降となります。
- 旅程は最大12フライト区間に加え、最大4区間の「地上移動・同じ都市での異なる空港間移動」が可能です。
予約までの流れ
ANAマイルによるスターアライアンス世界一周航空券は現在、電話でしか予約できません。いきなり電話してもいいですが、自分で調べて組み立てるが好きな方は事前に検討することをお勧めします。以下はお勧めする検討の流れです。
行き先と日程感の決定
行き先(空港)を優先して決めましょう。後述しますが、世界一周航空券を予約すると経路は変更できません。日程(便の日時)は後からでも空いてれば予約変更できるので、日程はまずはざっくり組みましょう。
電話前に事前検討
【検索】便の空席、飛行距離、税・燃油費の3つを調べる
自分にとって適切な経路を組み立てるために、空席状況、飛行距離、税・燃油費(※)の3つを事前に調べましょう。空席状況で空きが少ない経路がわかり、飛行距離で必要ANAマイル数がわかり、税・燃油費でANAマイル以外の自己負担金額がわかり、組み立ての材料となるためです。これらの検索に適した3つのサイトをご紹介いたします。
なお、便の空席について、スターアライアンスのサイトおよびANA特典航空券予約サイトで検索できた空席は世界一周航空券として予約できる枠とは限らないので事前検討の段階では参考としてとらえてください。マイルで取れる世界一周航空券の空席枠は、マイルで取れる特典航空券、費用を支払って取れる世界一周航空券の枠とは違うようです。
※本記事では「税・燃油費」には空港利用料も含みます。
検索するサイト | 検索経路 | 【空席状況】 空きが少ない経路をわかるため | 【飛行距離】 必要ANAマイル数をわかるため | 【税・燃油費】 ANAマイル以外の自己負担金額がわかるため |
スターアライアンスの世界一周サイト | 全経路をいっぺんに検索 | 〇 参考レベル | 〇 参考レベル | 〇 参考レベル |
ANA特典航空券予約サイト | 1経路のみ検索 | 〇 参考レベル | 〇 参考レベル | 〇 往復のみ |
飛行距離測定サイト | 1経路のみ検索 | ー | 〇 簡単に分かる | ー |
スターアライアンスでの検索
スターアライアンスの世界一周サイトは、費用を支払ってスターアライアンス加盟航空会社の便で世界一周する場合に利用するサイトです。全経路いっぺんに検索できるので便利です。スタートからゴールまで繋げないと合計の飛行距離、税・燃油費がわからないので、ある経路だけ空きがない場合は少し不便です。
繰り返しになりますが、このサイトで検索できた空席は世界一周航空券として予約できる枠とは限らないのでこの時点では参考としてとらえてください。
ANA特典航空券予約サイトで検索
ANA特典航空券予約サイトは、本来はANAマイルを使った往復航空券を検索する際に使います。ここではある1経路でマイル枠の空席があるか検索する時に使います。
繰り返しになりますが、このサイトで検索できた空席は世界一周航空券として予約できる枠とは限らないのでこの時点では参考としてとらえてください。
以下はANA特典航空券サイトで検索例です。
↓ANAマイレージクラブにログインして海外/特典航空券にアクセス
↓調べたい1経路を入力します。なお、特典航空券は往復のみです。ここではあくまで空席を知るためなので帰り(復路)はテキトーです。
検索すると希望の日程付近で空いている便の候補が出てきますので、選択します。選択すると↓以下のようにでてきます。日時と便を控えておきましょう。
上記の例では、マイルとは別に86,150円うち燃油特別付加運賃(燃油費)が70,000円が必要と分かります。ただしこれは往復の値であり、世界一周時(つまり片道)はこれより小さいはずですので一旦半額を目安にとらえておくといいと思います。
飛行距離測定サイト
こちら他サイトでは空港間の距離を調べられます。必要ANAマイル数は飛行距離の合計値で変わってくるので、経路を変える際に簡単に比較できます。また、Google Earthでは2つの距離を直感的に分かりやすく計測できます。
【組み立て】空きが少ない経路を中心に他の経路を組み立てる
ここまで空席状況により希望の日程でなかなか空きが少ない経路がわかりました。この経路(便)を中心に他の経路の日程を組み立てましょう。組み立てると飛行距離の加算して合計を出しましょう。
【集計】飛行距離の合計から必要ANAマイル数把握
飛行距離の合計が分かればANAサイトの「必要マイル数」の表からどのくらいのマイルが必要かがわかります。ここまでで、空きが少ない経路を中心とした日程と必要マイル数、発生する税・燃油費(概算)が分かりました。
注意事項 クラス混合は上位クラスが適用される
異なるクラスの便が混在すると上位のクラスが適用されます。例えば、基本はエコノミークラスで特定の便だけビジネスクラスにしたいと思っても、必要マイル数は上位のクラスつまりビジネスクラスが適用されます。(そもそも、ビジネスクラスは人気で取りずらいですが。。)
ANAに電話→結果を確認
前述の通り、空席は世界一周航空券として予約できる枠とは限らないのでANAに確認するしかありません。その場で予約しなくもいいのでとりあえずANAの国際特典航空券の予約サイトに電話しましょう。これで現時点での空席状況、必要マイル数、税・燃油費がわかります。
ANAに電話
ANAサイトの「お問い合わせ」から辿ると電話先と何時間待ちかがわかります。電話はオペレーターさんに繋がるまで1,2時間待つことは結構ありますが頑張りましょう。繋がると、まず世界一周航空券をマイルで取得したい旨を伝えます。次に希望の経路とその日時を伝えオペレーターさんにまとめて検索してもらい、実際に予約できるか教えてくれます。全部決まれば全経路の距離が出てきますので必要ANAマイル数も教えてくれます。もし、ある便が空いていなくても取り合えず他の日時、便にして先に進めることは可能です。ここまでで仮予約となり一旦電話は終わりです。この後ANA側で税・燃油費の集計してくれます。
結果を確認
後日(たいてい1日以内目安)、電話で税・燃油費の集計結果が伝えられ、このまま予約確定するか問われます。なお、燃油費は全経路の合計値のみのため、経路別にいくらか発生するかはわかりません。
ここで確定と回答すると正式に予約・発券となります。後ほどeチケットお客様控が送られてきます。
私は燃油費がどのくらいか知りたかったのと、一部経路を変えたかったのでキャンセルしました。ここでキャンセルしても手数料はかかりませんでした。
これで、実際の空席状況、必要ANAマイル数、税・燃油費がわかりました。
私はこの次にある再検討をして一部経路を変えて予約しました。
再検討
事前検討後、1回電話で確認してみることで予想と実際の差がわかりました。思ったより飛行距離があって必要ANAマイル数が足りない、もう少し飛行距離増やせないか?、燃油費高すぎてて普通に購入しても変わらないのでは?、などいろいろ発見があると思います。そんな時は以下の観点で再検討をしてみてください。
飛行距離を減らす:乗り継ぎを直線にする
乗り継ぎの場合は乗り継ぐ前と後の便の飛行距離が両方加算されます。出発地A、経由(乗り継ぎ)地B、目的地Cとすると、飛行距離はA→Cでなく、A→B + B→Cの合計値となります。なので、同じ乗り継ぎでもジグザグでなくなるべく直線になるようにした方がいいです。
飛行距離を減らす:飛行距離加算がされない陸路移動を挟む
陸路移動(サースフェクター)の場合、その距離は加算されません。例えばバスで移動してその分必要マイル数を浮かすことも可能です。私は中米に行った際は各国に行きたかったのでメキシコからパナマまではバス移動にしました。
燃油費を減らす:加盟航空会社ごとに燃油費を比較
加盟航空会社ごとにその航空会社が負担する度合いは決まっているようです。「航空会社 マイル 燃油負担」などで検索すると出てきます。まとめられているこちらの他サイトは参考になります。
私が南米からアフリカに行った時は、スターアライアンス加盟のエチオピア航空は燃油サーチャージが安く、直行便があったので、エチオピア航空を軸に組み直しました。大西洋を渡るには直行があまりなく、一旦北米あるいはヨーロッパを経由する便が多く、余計に飛行距離もかかりますのでエチオピア航空は貴重でした。
なお、エチオピア航空でのエチオピア・アディスアベバでのトランジットやストップオーバーでのホテル泊についての記事も書いてますのでこちらをご覧ください。
燃油費減らす:スタートを変えてみる
世界一周はスタートとゴールが同じであれば、スタートは日本でなくてもいいです。例えばスターアライアンス加盟のシンガポール航空やベトナム航空は燃油費が無料になるので、自己負担で格安航空(LCC)を使ってシンガポールやベトナムまで行って、世界一周のスタートにすることも検討できます。燃油費の差は結構出てくるので自己負担のスタート地点への渡航費に勝る可能性はあると思います。
シンガポール航空を使った例を見てみましょう。ANA特典航空券サイトで検索した燃油費は、
・ANA便 成田⇔ロサンゼルス往復:7万円(燃油特別付加運賃の部分)
・シンガポール便 シンガポール⇔ロサンゼルス往復:なし
となりました。7万円は往復の燃油費のため、世界一周時(つまり片道)はこれより小さいはずですので便宜上半額とすると、自己負担額は
・ANA便 成田→ロサンゼルス:燃油費3.5万円
・シンガポール便 シンガポール→ロサンゼルス:燃油費なし、成田→シンガポール格安航空2万円
となり、1.5万円安く行けます。もちろん、燃油費、格安航空費は時期で変動しますし、成田→シンガポールへの移動、乗換で時間を消費しますので、一概にお得とは言えませんが検討の価値はあると思います。
結局:マイルの価値をどう見るか
日々、マイルを貯めている方にとってマイルの価値が高いほど達成感を得れると思いますが、その価値はどうやって求めようか迷う方もいると思います。これは人によって違うので以下は読み飛ばしていただいて構いません。
私の場合は旅行に費やせる時間だけはあったので、マイルを使わずにスカイスキャナーで検索できる最安航空券で移動時間が長くても行こうと思っていました。なので、この最安航空券の金額から最も低いマイル価値はいくらで、これを自分が許容できるかで判断しました。税・燃油費の自己負担分も入れたマイル価値は次のように求めました。
必要マイル数×マイル価値(円/1マイル) + 税・燃油サーチャージ負担分 = 最安航空券計
→マイル価値(円/1マイル) = (最安航空券計ー税・燃油サーチャージ負担分) / 必要マイル数
今回は以下だったので、マイル価値は次の通りでした。
・必要マイル(当時):12万マイル(全旅程の距離25,001~29,000)
・税・燃油サーチャージ負担分:約9万円
・最安航空券計:約34万円
→マイル価値(円/1マイル) = (約34万円ー約9万円) / 12万マイル ≒ 2.08円
本当は1マイル3、4円と希望的観測で思ってましたが、移動時間だと明らかに
マイル世界一周航空券 < スカイスキャナー最安航空券
だったのでこれでOKとしました。ちなみにもう一つの観点として、乗り継ぎが最適なスターアライアンスの世界一周サイトで調べた金額も比較対象としてもいいと思います。私の場合が約50万円ほどだったので上記の式だとマイル価値3.41ということにもなります。
予約変更
予約変更は、予約時と同じ電話番号にかけてオペレーターさんに変更してもらいます。世界一周中の変更は結構苦労します。。
予約変更のルール
変更したい便の出発時間の96時間前であれば何回でも変更可能でした。後ろ倒しに変更した便を前倒しに変更できます。ただし、ある便をキャンセル(あるいは乗らない)をして、同じ経路を世界一周航空券とは別で自費でとることはできませんでした。
変更に係る費用
変更による手数料はかかりませんでした。ただ変更時は税・燃油費で差額がある場合は都度精算されます。予約変更を電話依頼後、ANA側で予約を確保した上で一旦持ち帰り、所要約1日くらいで精算有無の結果が来ます。私が行ったときは結局変動はなかったです。
- 精算有りの場合:ANAから電話で連絡が来て、精算を了承して変更完了。後ほど変更後のeチケットお客様控が送られる。
- 精算無しの場合:ANAからメールで変更完了の旨と変更後の旅券が送られる。後ほど変更後のeチケットお客様控が送られる。
苦労話:空いてない、繋がらない
私は、世界一周中は元々の大雑把な計画な上に予想外な出来事が重なり次の便を1、2週間ずらしたいとかは結構ありました。ですが人気の便は2か月後しか空いてないとかがざらで、出発日が近づくにつれ絶望してました。その便だけをキャンセルもできないので、仕方なく間に合うように急いで周るか、毎日寝る前に宿で予約変更の電話をかけたり、あるいは電話をかけながら観光してました。電話発信後1時間待ってたらなぜか急に電波が弱くなり通信不安定で電話が切れてもう一度やり直しということもあり、メンタルがきつくなる時もありました。皮肉にもそういうメンタルの時に、久しぶりにオペレータさんと日本語で話せると懐かしさを感じます。前述の事前検討の通り、空きが少ない便を把握、その便を絶対軸として旅程を組みましょう。
また、予約時と予約変更時でかなり電話をすることになるので楽天モバイルがよかったです。楽天モバイルのRakuten Linkアプリ経由なら日本国内、海外→日本国内も掛け放題でANAサイトへの電話代を気にすることがないです。ただし楽天モバイルが使えない国では対象外なので事前に楽天モバイルのサイトで対応国を確認しておきましょう。
ちなみに、Rakuten Linkアプリがスマホに入っていれば楽天モバイルが使えない国でもWiFi経由で電話できるのでは?と思いましたがダメでした。SMSで認証番号が送られてきますが、そもそも楽天モバイルが使えないのでSMSを受け取れず認証できませんでした。
楽天モバイルが使えない場合はViberかSkypeを試しましょう。当時、Viberは使えましたが、Skypeはバージョンアップで使えなかったです。
以上、ANAマイルを使ったスターアライアンス世界一周航空券の予約の取り方でした。皆様、素晴らしい世界一周旅行をお楽しみください!